ML大学Python学部NumPy学科

主に学んだことのアウトプットの場として

【書評】提案=思い通りに物事を動かすための行為「ロジカル・プレゼンテーション」

「ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」」を読みました。

実現したい事象について的確に考え、的確に伝えるための方法論、と言ったところでしょうか。

「伝える」方は割りとテクニック的な要素が多かったので、今回は「考える」方にフォーカスして読んでみました。

コンサルタントの方によって14年も前に書かれた本ですが、非常に読み甲斐がありました。

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

  • 作者: 高田貴久
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2004/02/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 35人 クリック: 293回
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 目次

はじめに
序章
第1章 提案の技術とは
第2章 論理思考力
第3章 仮説検証力
第4章 会議設計力
第5章 資料作成力
第6章 最終章

メモ

何のために提案するのか。

ほぼすべての人間が、ビジネスや学校生活、家庭生活などのあらゆるシーンで「提案しなければならない」局面に毎日のように立たされている。提案力のある人は自分の思惑通りに事を進められる場合が多いが、提案力の無い人は他人に押し切られてしまい、自分の意見が通らず、結果として損をすることも少なくない。

提案の内容は論理的でなければならない。

「どんな相手をも」理解させ、説得するためである。(中略)

初対面の人や文化の異なる人、自分と反対の意見を持っている人などに話を伝えようとした場合、前提がちがいすぎるので話が通じないことが多い。

論理的とはどういうことか。

縦と横が全部「ちゃんと」つながっていること。(中略)

縦に論理がつながった状態とは、「誰から見ても因果関係が理解できる」状態である。(中略)

横に論理がつながった状態とは、「誰から見ても全体がカバーされていて、漏れもダブりもない」という状態である。

縦の論理がつながらない、すなわち「AならばB」が通じない原因は何か。

1. 前提条件の違い(暗黙の前提は存在しないか?)
2. 異質なものの同質化(もっと細かく分けられないか?)
3. 偶然の必然化(前提から結論に至るまでに偶然の要因はないか?)

横の論理がつながらない、すなわち「漏れやダブり」が生まれるのはなぜか。

そもそも言葉のレベル感が揃っていないから(まったく違う話をしているのでよく分からないという状態)。

言葉のレベル感はどのように揃えるのか。

1. 視点を揃える(誰の目から見た表現なのか?)

2. 切り口を揃える(どういう場面を想定した表現なのか?)

言葉のレベル感が揃って初めてMECE(漏れ無くダブり無く)に考えられる。漏れをなくすためには、状況にあったフレームワークを用いる。

既成のフレームワークに従うというアプローチだけではこころもとない。自分でまったく新しいフレームワークを編み出せる発想力を持つことが重要である。

どのように新しいフレームワークを編み出すのか。

「六次元で発想すること」(中略)。目に見える三次元の世界のほかに、(中略)時の流れで一次元、情報や電気や取引や、そのほか目に見えない物の流れで一次元、最後は人間の気持ちや習慣で一次元。

ダブリをチェックするためには、著者考案の下記「MECEマトリクス」を用いる。

ダブっているかどうかを判別するために、二つの命題をそれぞれ縦軸と横軸に展開する。そして、縦軸・横軸それぞれにイエス・ノーと書く(中略)。

それぞれにイエス・ノーがあるので、二×二の四つの箱ができるが、それぞれの箱について「その状態が存在するのか?」を考える。

縦横の論理が完成したら、主張したい内容をピラミッド型の図で表現することができる。

縦横の論理の原則をきっちりと理解したうえでピラミッド・ストラクチャーを描けば、非常に説得力のある論理が展開できる。

論理的であると誰が決めるのか。

「論理がきっちりつながっているか、つながっていないかを決めるのは、あくまで話をしている相手側である」(中略)

自分の論理を信奉しすぎると、反省がないため自己成長ができなくなる。(中略)

本当に論理的な人は、相手が誰であっても話を理解させることができる。

提案のためには論理的に正しいだけで良いのか。

「論理的に正しい」からといって、「相手が納得する」とは限らない。(中略)

大事なのは、相手を納得させること、腹の底から理解してもらうこと、そして何か結果につながる行動を起こしてもらうことだ。(中略)

相手の疑問に答えないかぎり、相手はとうてい納得しない。

相手の疑問はどうやって特定すればいいのだろうか。

「仮説検証」がきちんとできることが必要(中略)

仮説検証は以下の五つのステップで進める。

(1)目的の理解(どのような意思決定を求めるべきかを理解する)
(2)論点の把握(相手の意思判断に影響を及ぼす項目を把握する)
(3)仮説の構築(論点に対する答えとなり得る事柄を仮で定める)
(4)検証の実施(仮説の正しさを客観的事実や論理で検証する)
(5)示唆の抽出(論点を細かく分解して、方向性を提示する)

論点に対して、完璧な答えが出せればすべてはうまくいくのであるが、実際は「答え」を出すことは難しい。(中略)

直接答えることをひとまず保留にして、「示唆を出す」ことに集中してみよう。(中略)

示唆を出すとは、「論点を絞り込むために役立つ情報を提供する」ことだから、まずは論点をさらに細かく分解して考え、そのいくつかの部分に答えようと考える。(中略)

うまく「示唆」が書ければ、直接的に論点に答えたり、仮説を検証したりする必要はないのだ。(中略)

論点を絞り込み、方向性を提示する「示唆」が書ければ、それで事足りるのだ。

自責の精神が成長に繋がる。

提案が通らないことを前提に発想すれば、自分が何を努力すればよいかという視点で前向きに物事を発想するようになり、自己の能力に磨きをかける原動力となる。

最後に

考える力とは、習慣というかクセに依るところが大きいと思う。なので、本書に書かれていることを日頃から常に意識しながら過ごしていこう。

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

  • 作者: 高田貴久
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2004/02/01
  • メディア: 単行本
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